2016年3月25日金曜日

保育士だって働くママとなる

年度末となりました。子どもが通っている保育園では、毎年保育士がこの時期退職します。卒園する子や退園する子との別れだけではなく、退職する保育士との別れにも毎年涙するのです。

今年は涙するだけではなく、なぜ毎年保育士が辞めていくのか考えてみました。

みなさんは、どんな保育士がなぜ辞めていると思いますか?①イメージと実際の仕事のギャップを感じた入ってすぐの若手?②女性が仕事を続けるときの一番の問題となる結婚や出産?③体力が追いつかなくなるベテラン?

他の保育園のことは分かりませんが、私の子が通っている保育園で退職する保育士の多くは、②の結婚や出産、子どもの小学校への入学などのタイミングで仕事を辞めているのです。保育園歴7年の間にいくつかのパターンがありました。

◆結婚・夫の転勤を機に退職
1つのパターンが結婚してすぐに辞める場合です。専業主婦という選択には、共働きで子を持つ保育園児の保護者にとっては、ちょっと複雑な思いを持ってしまいます。ですが、これには賃金の安さや妊娠出産なども含めた保育士自身の人生設計という面があると思います。

夫の転勤でやむなく・・・という理由もあります。引越し先でまた保育にたずさわって欲しいなと個人的には思いながら見送っています。


◆妊娠・出産を機に退職
もう1つのパターンが妊娠や出産のタイミングで辞める場合です。保育士は、一緒に遊んだり、子どもを抱っこしたりと体力を使う仕事です。妊娠経過のなかで仕事を続けられない場合があります。

また、保育士って当たり前かもしれませんが子どもが好きなんです。その気持ちが自分の子は自分で見ていたいという気持ちに繋がる人もいるようです。こちらの場合も、預けて働いている保育園児の保護者からするとちょっと複雑な気持ちです。


◆保活・小1の壁で退職
こちら妊娠・出産を機に退職と似ているのですが、子どもを持ちながら保育士という仕事を続けるのって大変なところがあります。例えば、朝7時から夜18時まで開園している保育園に勤めていると、朝7時からの勤務もあれば夜18時までの勤務もあります。7時からの勤務に間に合おうとすると7時前から開いている保育園に自分の子は預けなければなりません。夜も同じ。

勤めている保育園によっては、勤務時間を配慮してくれるところもあるかもしれません。でも、遅く出勤して早く退勤する時間帯で働くと、送り迎えの保護者とはまったく顔を合わさないことになってしまいます。また、多くの保育園で保育士に余裕があるわけではないので人員の配置の上でそうした配慮ができない場合もあるようです。

でもね、(保育士の)子どもが保育園に通っている間はまだいいのです。朝7時から預かってくれる保育園は多くあります。しかし、小学校に入ると登校時間は朝8時過ぎです。7時から8時まで朝の1時間子どもを見てくれるところが無くなってしまうのです。

小学校1年生が最後に一人で戸締りをして家を出るというのはちょっと現実的ではありません。私は(保育士ではありませんが)、この朝の1時間の小1の壁のために保育園と小学校と職場が近接するように引越しをしました。それができる人ばかりではありません。子どもを保育園に通うわせながら保育士を続けていても、子どもが小学校に入るところで退職することもあります。


ということで、何年か保育園に通わせていて、毎年辞めていく保育士の姿を見てきました。はっきりと理由を聞いているわけではありません。でも、背景には結婚や妊娠・出産という問題が大きくあるように思います。保育士として数年働いて、いい保育士になってきたなと思ったら、辞めていくということが続いています。新卒で働き始めると結婚、出産がそういうタイミングで来るんですよね。

子どもが大きくなったベテランの保育士は残っています。でも、その次の中堅の保育士が残らないのです。若手として入って、力を付けてきたところで結婚・出産となり辞めていく。保育園に子を預ける保護者にとっても残念でなりませんし、続けられたらと考えながらも辞めざるをえない保育士にとっても苦しい現実です。


今、話題となっている保育士の賃金の低さも仕事を続けられない理由の一つとして当然あるでしょう。でも給与を上げるだけでは問題は解決しないと思います。(もちろん是非給与は上げて欲しいと思っていますよ!)

子育て中の保育士の勤務時間を配慮できるような人員の余裕のある配置、子どもの保育をめぐる小1の壁をなくすことなど労働環境や子育て環境を広く改善していかないと保育士の定着は難しいでしょう。

保育園に通う(通おうとする)子どもたちにとって、預ける保護者にとって、そして保育士にとって、よりよい環境が少しでもできたらいいなと強く思います。

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