2016年12月1日木曜日

北海道大学の芝は誰のものか?

北海道大学が構内の芝への保育園・幼稚園の利用を禁止したことへの波紋が広がっています。
ネット上のニュースのコメント欄や掲示板サイトにしっかりした議論を期待するのは無理なのですが、これに関するいろいろな議論を見ていると、どうもいくつかの大事な視点が抜け落ちているように思えるのです。ということで、事実関係と議論すべき論点をまとめました。

◆北海道大学の芝生に何が起きているの?
まず事実関係です。
・北海道大学のキャンパスは、札幌市中心部に1,776,249㎡におよぶ広大な敷地を有している。
・構内には、まとまった広い芝生があり、これまで誰でもが立ち入りできた。周辺の保育園・幼稚園も利用し、それを大学当局も容認(黙認?)してきた。
・芝の管理に3,000万円かけている。
・数年前から芝生の利用ルールを作るなど管理を強化してきた。
・今年(2016年)になって、中央ローンなどでの保育園・幼稚園での利用に芝生が傷むとして文書で使用中止を求めるなど利用制限を強化した。
・2016年10月の北海道新聞にこれまで利用してきた保育園などが「困惑している」という記事が掲載される。

事実の流れはこうしたところでしょうか。
最後の北海道新聞の記事に対して、いろいろな議論がネット上に出ています。

北海道大学の管理する土地であるから、従うのが当然とする利用制限論。利用料の支払いや芝生の管理への参加を求める条件付き利用容認論。大学という公的機関であること、これまでの伝統により使ってもいいのではとする利用容認論などがあります。

しかし、どの議論も論点がずれているような気がしてならないのです。私が考える論点は2つ。芝生の状態が悪化した理由は何か?これが1つ目の論点です。2つ目は、立ち入り制限することの費用と効果です。それには、北海道大学の社会的責任も含めて考える必要があるということです。

◆芝生の状態が悪化した理由は何か?
大学当局が芝生の利用制限をした理由は、芝生の上を走り回ることで芝生が傷むということでした。確かに、過度な利用は芝を傷めるでしょう。しかし、これまで利用を黙認してきて「今」制限する理由としては説得力が足りない気がします。今も昔も同じような利用があって、同じような影響を芝生に与えていたのであれば、昔はいいと言われていたのに、今はダメと言われるのは「困惑」するのは当然でしょう。

何か変化があったのでしょうか。利用者が増加したことによって容認できない範囲となった、あるいは、これまでは芝生の悪影響を補修する予算があったがコストカットする必要がでてきたのでしょうか。あるいは、温暖化などによって芝生の生育環境が悪くなったのでしょうか。

仮に芝生の状態が悪化していたとして、それは保育園・幼稚園などの利用が原因だったのでしょうか。実は、このことに一番の疑問を持っています。というのは、広くは知られていないとは思いますが、次のようなことを見てきたからです。
・中央ローンには高木が多くたち、北斜面となる場所もあり、芝生の成長にとって環境がよいわけではない。
・数年前に中央ローンの一部で立ち入りを制限して芝生の育成をしていた。
・芝生の育成をしていた場所は、北斜面の樹木の陰にあたる部分だった。
・子どもの利用が多いのは、斜面よりも中央の川沿いの平坦な部分。
・冬期間には、周辺の道路で除雪した雪を中央ローンに押し入れている。そこは当然雪解けが遅くなっている。

芝生の成長を決めるのは、多くの条件が絡んでいると思います。日照や水分、土壌や栄養、利用による圧力…こうした複合的な要因があるわけです。農学部の研究者であるような人間が、十分な根拠を示さずに子どもの利用は影響があるのでNGという発言をするのは、科学的な態度とは言えないように思います。

そもそも、ここ数年の芝生の管理の状況を見ていると芝生の状態の悪化は子どもが原因だったのでしょうか。もともと北斜面で木による日影となるところに毎年除雪した雪を押し入れて雪解けも遅くなり、生育不良となっただけのようにも思います。利用の多い日当たりのよい平坦(やや南斜面)では、生育不良にはなっていないのです。

生育不良だからこそ立入を制限するのだという主張もあるのかもしれません。だとしたら、子どもの利用制限が状況を改善する鍵となるのでしょうか。とりあえず、簡単に規制しやすいことをしただけのようにも見えてしまいます。

この点では、芝生上での火気使用を禁止したのはやむを得なかったのかと思います。学外者を含む利用者が急増し、芝生の状態が悪化したのは事実でしょうし、きちんと経緯が説明されています。

(参考)共用レクレ-ションエリアの廃止について
http://www.facility.hokudai.ac.jp/modules/pico/index.php?content_id=23

ですが、芝生を再生させた後に子どもの利用まで規制するのはいきすぎでしょう。文章を読む限り、芝生を傷めたのはジンギスカンなどの火気を使用した利用です。これをしているのは、決して周辺の保育園や幼稚園ではありません。大人です。

芝生が生育不良となった原因をしっかりと追究し、エビデンス(証拠)に基づいた対策を取らないと、労力の無駄となってしまいます。大学当局、規制を主張する先生は、エビデンスに基づいて発言されているのでしょうか。


◆北海道大学の社会的責任
北海道大学に十分な予算があるわけではありません。先日も人件費を14.4%カットするために、教員の削減を検討していることが報じられています。芝生の管理なんかにお金をかけている予算なんかないというのが本音なのでしょうか。

報道によれは、芝生の管理に3,000万円かけているとのことです。そのうちどのくらいが荒れた芝の回復に使われているのでしょうか。内訳については不明です。しかし、おそらくその多くは、芝刈りと落ち葉の回収に当てられているように思います。春から夏にかけては定期的に芝刈りをしていますし、秋の落葉の季節にはしばしば芝生の上に落ちた落ち葉を回収にまわっています。

芝生の管理全体で3,000万円と聞くと大きな金額ですが、落ち葉の回収などは芝生の状態に関係なく発生する作業です。3,000万円のうち、芝生の回復のためにどの程度の予算が必要だったのかということが分からないと、この金額だけではミスリードな気がします。(報道の際には、ここにも突っ込んで欲しかったのですが・・・)

さらに、子どもへの制限しても管理費用が減らせなかったのであれば、北海道大学の評判を落とすだけで終わってしまいます。(もちろん、子どもの立ち入りを制限することに賛成の人もいます。その人たちにとっては、規制することで北海道大学の評価を下げないでしょう。しかし、評価やイメージが上昇するわけでもないでしょう。)

北海道大学の芝生は、北海道大学のイメージに重要な役割を果たしています。学生、教職員だけでなく、一般市民や観光客にも開放されています。ほとんどのガイドブックにも北海道大学のキャンパスが紹介されていますよね。誰にでも開放することによって、ガイドブックなどにただで掲載してもらっているわけです。そう考えると広告、広報としては年3,000万円なんて安いものと考えられるのではないでしょうか。

一方で、これまで北海道大学が寛容であっただけで、北海道大学が芝生の立ち入りを規制するのは当然だという意見もあるでしょう。あくまでも北海道大学のキャンパス内の芝生は北海道大学の私有地にある、そこの利用をどうするのかは所有者である北海道大学が自由に決めていいと。

この意見は、法律上ではそうかもしれません。私有地上の利用は所有者が決めることができます。ですが、どんな利用の仕方をしてもいいかというと、社会的には認めがたい場合もあるのです。

北海道大学のある場所は、札幌駅から徒歩10分ほどの都心のど真ん中と言ってもいいところにあります。そこに広大なキャンパスがあるのです。市民の立ち入りを拒めば、市民の移動に大きな支障が生じます。都心に広大なキャンパスを置く以上、そこへの立ち入りを認めないと共存できないでしょう。

さらに、中央ローンを流れているサクシュコトニ川という川があります。この川は自然の川ではありません。昔は自然の湧水があって、川の流れがありましたが、今の川の水は札幌市の水道からの放流水を利用しています。なぜ札幌市の水を北海道大学が利用できるのか?それは、中央ローンが開かれた場所であるからです。市民や観光客も利用できる場所であるからこそ、札幌市が水を提供しているのでしょう。

キャンパスをみんなが利用できるということで、北海道大学は都心にキャンパスを置くことができ、市民や観光客はキャンパス内の芝生などの環境を享受できたといえます。WIN-WINの関係です。さらに開放するということは北海道大学にメリットがあるということだけではなく、都心に広大なキャンパスをおく大学としての社会的な責任でもあるのです。

企業に対しては、CSRという企業の社会的責任ということが唱えられています。事業活動を通して社会に貢献するというものです。大学にもそれはあるでしょう。キャンパスの土地の所有者として権利を主張するのであれば、相応の社会的な責任を果たさなければならないでしょう。

◆まとめ
今回の北海道大学の対応は、子どもの利用を制限するだけの根拠を十分に説明できていないと思われます。キャンパスを開放することは、一般の市民だけでなく北海道大学にもメリットをもたらしてきたし、大学として、あるいは土地の所有者としての社会的な責任の果たし方でもあったのです。北海道大学が子どもの利用を制限することでこのバランスが崩れてしまいました。それが多くの波紋と戸惑いを生んでいるのでしょう。

芝生の育成や土地の所有という観点だけから、子どもの利用制限を判断してしまうのは議論が片手落ちです。札幌の街のなかに北海道大学があり、子どもも含む市民とともに生きているという社会のなかでそれぞれの役割や責任を考えていく視点も必要です。

2016年10月3日月曜日

保育園への誤解

ときどき新しい保育園を開設することへの反対運動が報道されています。それによって建設を断念するということもあるようです。建設予定地の周囲の環境、道路事情。設置主体や行政の進めた方など個別の事情については、分かりません。お互いの理解のもとに保育園が歓迎されるといいなとは個人的に思います。

ただ、いくつか保育園への反対意見のなかで、それは保育園では起きないんじゃないかなぁと思う意見も見受けられます。保育園への誤解があるのではとも思います。現役に保育園に通わせている保護者として実態を書きたいと思います。個別の自体への具体的な意見に対してではなく、こんな意見をときどき見るよ、という一般論で書いてみます。

1.保育園を作ると、送迎の保護者が周囲で立ち話をして迷惑?!
はっきり言って、これ大きな誤解です。まったく立ち話をしないかというとゼロではないですが、それはごく短い間。基本的に”こんにちは””さようなら”状態です。

なぜか。保育園に子どもを通わしている保護者は、働いているのです。朝は保育園に子どもを送った後に出勤。夕方は職場を出て、保育園にお迎え、そして帰宅。出勤時間があるので朝は時間がない。夕方も早く帰って夕食そして就寝させたい。保育園に着いてから出るまでに5分とか10分で送り・迎えをしている保護者も多いのでは。

のんびり保護者同士で会話している時間はありません。井戸端会議なんて夢ですね。たまには情報交換するような時間が欲しいと思っているくらいです。確かに「幼稚園」の前を送迎時間にたまに通りかかると保護者が立ち話をしてる光景に出合います。「保育園」ではありえません。

2.保護者の車が暴走する?!
これは前の保護者とは逆のイメージですね。保育園の保護者は忙しい、だから車や自転車もスピードを出して・・・ということでしょうか。

確かに、保育園の保護者忙しいです。出勤時間に間に合わせなければ、早く帰らなければという気持ちがあることは事実です。でもだからと言って運転が乱暴であったり、暴走していたりするわけではありません。

保育園に来る車や自転車には、自分の子どもを乗せています。自分の子どもを危険な目に会わすような運転はしないです。多くの人が良心的な運転をしていると思います。

3.送迎時間に周囲が混雑する?!
もう1つ送迎に関する反対意見に、送迎時間に自転車や車が多数集まるのではという心配があります。ここにも保育園への誤解が含まれているように思います。

保育園にも開園時間が決まっています。多くの園では朝7時から夕方19時までが一般的ではないかと思います。開園時間がこう決まっているからといって、すべての子どもがこの時間ずっといるわけではありません。

登園は7時から10時くらいまで、帰りも17時くらいから19時まで分散しています。始業が早い人、職場が遠い人は早く保育園に来ます。そうではない人は遅めに登園します。帰りもそう。終業が早い人、職場が近い人は早い時間にお迎えに来ます。遅い人は19時ぎりぎりになったりします。幼稚園のように始まる時間、終わる時間が決まっていて、その時間に合わせてみんなが登園すること、終わる時間を待って帰ることはありません。

保護者の仕事の時間に合わせて送り迎えをする。それが保育園です。なので行く時間も買える時間もまちまちです。なので保護者同士でまったく合わない人もいます。例えば120人の保育園だからといって、120人が一気に来ることはありません。ばらばらの時間に来ます。一気に来て混雑することは保育園ではありません。


保育園も園や地域によってさまざまだとは思いますが、上の3点はまずないだろうなと思って書きました。保育園への誤解があったら大変残念なので、すこし実態を紹介してみました。お互いの理解への助けに少しでもなれば。

2016年3月25日金曜日

保育士だって働くママとなる

年度末となりました。子どもが通っている保育園では、毎年保育士がこの時期退職します。卒園する子や退園する子との別れだけではなく、退職する保育士との別れにも毎年涙するのです。

今年は涙するだけではなく、なぜ毎年保育士が辞めていくのか考えてみました。

みなさんは、どんな保育士がなぜ辞めていると思いますか?①イメージと実際の仕事のギャップを感じた入ってすぐの若手?②女性が仕事を続けるときの一番の問題となる結婚や出産?③体力が追いつかなくなるベテラン?

他の保育園のことは分かりませんが、私の子が通っている保育園で退職する保育士の多くは、②の結婚や出産、子どもの小学校への入学などのタイミングで仕事を辞めているのです。保育園歴7年の間にいくつかのパターンがありました。

◆結婚・夫の転勤を機に退職
1つのパターンが結婚してすぐに辞める場合です。専業主婦という選択には、共働きで子を持つ保育園児の保護者にとっては、ちょっと複雑な思いを持ってしまいます。ですが、これには賃金の安さや妊娠出産なども含めた保育士自身の人生設計という面があると思います。

夫の転勤でやむなく・・・という理由もあります。引越し先でまた保育にたずさわって欲しいなと個人的には思いながら見送っています。


◆妊娠・出産を機に退職
もう1つのパターンが妊娠や出産のタイミングで辞める場合です。保育士は、一緒に遊んだり、子どもを抱っこしたりと体力を使う仕事です。妊娠経過のなかで仕事を続けられない場合があります。

また、保育士って当たり前かもしれませんが子どもが好きなんです。その気持ちが自分の子は自分で見ていたいという気持ちに繋がる人もいるようです。こちらの場合も、預けて働いている保育園児の保護者からするとちょっと複雑な気持ちです。


◆保活・小1の壁で退職
こちら妊娠・出産を機に退職と似ているのですが、子どもを持ちながら保育士という仕事を続けるのって大変なところがあります。例えば、朝7時から夜18時まで開園している保育園に勤めていると、朝7時からの勤務もあれば夜18時までの勤務もあります。7時からの勤務に間に合おうとすると7時前から開いている保育園に自分の子は預けなければなりません。夜も同じ。

勤めている保育園によっては、勤務時間を配慮してくれるところもあるかもしれません。でも、遅く出勤して早く退勤する時間帯で働くと、送り迎えの保護者とはまったく顔を合わさないことになってしまいます。また、多くの保育園で保育士に余裕があるわけではないので人員の配置の上でそうした配慮ができない場合もあるようです。

でもね、(保育士の)子どもが保育園に通っている間はまだいいのです。朝7時から預かってくれる保育園は多くあります。しかし、小学校に入ると登校時間は朝8時過ぎです。7時から8時まで朝の1時間子どもを見てくれるところが無くなってしまうのです。

小学校1年生が最後に一人で戸締りをして家を出るというのはちょっと現実的ではありません。私は(保育士ではありませんが)、この朝の1時間の小1の壁のために保育園と小学校と職場が近接するように引越しをしました。それができる人ばかりではありません。子どもを保育園に通うわせながら保育士を続けていても、子どもが小学校に入るところで退職することもあります。


ということで、何年か保育園に通わせていて、毎年辞めていく保育士の姿を見てきました。はっきりと理由を聞いているわけではありません。でも、背景には結婚や妊娠・出産という問題が大きくあるように思います。保育士として数年働いて、いい保育士になってきたなと思ったら、辞めていくということが続いています。新卒で働き始めると結婚、出産がそういうタイミングで来るんですよね。

子どもが大きくなったベテランの保育士は残っています。でも、その次の中堅の保育士が残らないのです。若手として入って、力を付けてきたところで結婚・出産となり辞めていく。保育園に子を預ける保護者にとっても残念でなりませんし、続けられたらと考えながらも辞めざるをえない保育士にとっても苦しい現実です。


今、話題となっている保育士の賃金の低さも仕事を続けられない理由の一つとして当然あるでしょう。でも給与を上げるだけでは問題は解決しないと思います。(もちろん是非給与は上げて欲しいと思っていますよ!)

子育て中の保育士の勤務時間を配慮できるような人員の余裕のある配置、子どもの保育をめぐる小1の壁をなくすことなど労働環境や子育て環境を広く改善していかないと保育士の定着は難しいでしょう。

保育園に通う(通おうとする)子どもたちにとって、預ける保護者にとって、そして保育士にとって、よりよい環境が少しでもできたらいいなと強く思います。

2016年3月24日木曜日

ゲストハウスを作るときにやって欲しいこと

家の近くにゲストハウスができました。ということをネットで調べて初めて知って、なんだかなと思っている次第です。

ことの初めはある家の引越しから始まります。駅に近い、都会の住宅街です。集合住宅もあり、どこにどんな人が住んでいるなんてことは、よく分からない様な土地柄です。この家にどんな人が住んでいたのかなんて交流もなく知りませんでした。

引越しからしばらくして、リフォームを始めました。でも、何か普通のリフォームとは違うんですよ。一般的な工務店がやっているようには見えなかったのです。20代くらいの若い男性が、青や赤が鮮やかなつなぎを着て作業をしているのです。いまどきの工務店はおしゃれな制服でも使っているのかしらくらいに思っていました。

見ていると、また?が浮かんできました。建物の内部では作業をしているんですが、外壁や屋根にはまったく手を付けてないんです。築年数もたった家でしたので、普通の家のリフォームにしては不思議だなと思っていました。

工事のゴミが家の前に残っている状態でしたが、ある日、玄関先に暖簾がかかり、普通の個人のお宅ではないんだと分かりました。

家に帰ってネットを見ると、ゲストハウスのようです。ホームページやFACEBOOKがあり、世界的なネットによる宿泊サイトにも登録されていました。近くに住んでいて、毎日その家の目の前を通っていたのですが、初めてゲストハウスだと分かった次第です。

で、そのホームページやFACEBOOKを見ると、他の所でもゲストハウスのようなものを運営しているようなのですが、どんなところかよく分からないのです。若者が集まってノリがよくやっている風なことは投稿を見れば分かるのですが、運営主体がはっきりしないのです。なんという会社なのか、そもそも会社なのか、法人格はあるのか、事務所がどこにあるのか、などまったく載っていないのです。

そして、ゲストハウスとしての営業が始まりました。ときどき旅行者風の方を見るようになりました。その他にも、運営をしている若者グループとみられる車が前に路上駐車して、複数が集まっていたりすることをたびたび目にすることになりました。騒音があったりとかトラブルがあるわけでもないのですが、何かもやもやしたものを感じます。

で、最近またそこのホームページを見てみると、近くのお店の紹介などが写真入りで載っていました。で、その写真が店内のお客さんの顔がしっかり分かるような写真なのです。他にも、近所の子どもを写した写真もありました。写っている人の許可を取っているんですかね・・・

どんな人たちが何をしているのか分からないところが家の近くにあるというのは気味が悪いものがあります。開業までの経緯やホームページ上の情報のなさ、掲載写真の配慮のなさなど違和感だらけです。

ゲストハウス自体や若者が何かやること自体には、反対もしませんし、むしろ応援したいと思います。しかし、周囲への配慮を是非しっかりしていただきたいと思います。


私だったら、住宅街にゲストハウスを開くならこんなプロセスを踏んで地域に説明すると思います。

1、事前の説明会
町内会などを通して、リフォーム工事の前に地域の方々へ説明します。何人泊まれるどんな施設を作るのか、リフォーム工事の期間などがその内容となります。

2、建物前での告知
リフォーム工事中など開業前に、ゲストハウスを開くことを知らせる看板を立てておきます。もちろん問合せ先や運営主体などの情報を明示しておきます。

3、内覧会
開業前に地域の人向けにゲストハウス内を見学してもらう内覧会を開きます。開催の告知は、建物前に掲示したり、町内会に連絡したりします。



この程度でいいと思います。作ろうとする側にとっても、ものすごく負担となるようなことではないと思います。説明会や内覧会を開きますと言って、ほとんど地域の人が来なくても、それはそれでよし。もしかしたら、何か注文がつくかもしれませんが、出来てしまってからトラブルになるよりずっといいと思いませんか。

ゲストハウスというのは、小規模な宿泊施設で法的にはどこにでも建てられるようです。だからこそ、地域の中に受け入れられるようにちょっとした配慮をお願いいしたいと思います。ゲストハウスの中で交流やコミュニケーションを言うのであれば、その外にも目を向けて地域ともコミュニケーションを取って欲しいと思います。よく分からないというだけで、気味悪く思われてしまうものです。積極的に地域とも交流して応援団を増やしてください。

これからゲストハウスをやろうと考えているみなさん、そして我が家の近くのゲストハウスさん、これを読んだら参考にしていただきたいなと思います。