2014年11月30日日曜日

子どもの夢

札幌市が2つの大きな事業をすることを決めました。1つは、冬季オリンピックの招致。もう1つは、円山動物園への象の再導入です。

2つとも元気になるような、夢を与えるような前向きの事業のように捉えられているように思います。「子どもに夢を」とか「次代に夢」をとか。でもね、なんかね。すっきり賛成できないのですよ、この話。

まずオリンピックから。

札幌市民ってウィンタースポーツそんなに好きでしたっけ?7年前の2007年にノルディック世界選手権大会が開かれました。私はいくつか観戦に行っ たのですが、客席は悲しいくらいガラガラでした。2年おきに開催されていてヨーロッパではかなり人気のある大会だそうですよ。でも、札幌ではまったくお客 さんが集まりませんでした。ジャンプやクロスカントリーというノルディック競技ばかりで日本で人気のフィギュアやスピードスケートがないということもあり ますが、ウィンタースポーツにこの程度の関心しかないのになんで冬季オリンピックを呼ぶんですかね。


ちょっとお金の話もします。オリンピックの招致では札幌市が施設整備などで最低でも700億円の負担が生じるそうです。施設を作ったあとその施設の管理費が毎年かかることも考えておかないといけないでしょう。お金がかかるからすぐに反対とは言いませんが、これから人口が減少していく社会を迎え限られた予算の中でやりくりをしていくことを考えたとき、オリンピックに合わせた施設を維持していくことがその後も優先順位の高いお金の使い方であり続けるでしょうか。そんなに好きでもないウィンタースポーツに毎年お金をかけ続けられますか。

次に象の話。

象の再導入では、象舎の建設に20億円、毎年の餌代に2,000万円だそうです。繁殖のために4頭ほど飼育するそうですので1頭あたりの食費が年500万円ですか・・・本当に円山動物園に象が必要なのかな。札幌らしい北国動物を集めてもいいような気がします。

 子どもの夢って?

最初にも書きましたが、オリンピックでも象のことでも「子どもに夢を」と「子ども」と「夢」が理由に使われます。「子どもの夢」ってオリンピックが開かれることや動物園に象がいることなんですか?オリンピックもその時は楽しいでしょう。象も見に行けば喜ぶでしょう。でも、その時だけの一時の楽しさな気がします。

良い保育環境に子どもたちが育つこと。小学校の校庭に日が差すこと。給食の誤食で窒息しないこと。そんな当たり前の日常のなかでひとりひとりが輝いていくこと。そこに「子どもの夢」が育っていくように思います。

大人がやりたいこと、一時の楽しさを「子どもの夢」と簡単に呼んで欲しくないと思います。

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